店舗ビジネスで成果を出す!SNS活用法(後編)

店舗ビジネスで成果を出す!SNS活用法(後編)

カテゴリ:営業力強化, 経営コラム

店舗ビジネスで成果を出す!SNS活用法(後編)

(※このコラムは、2017年4月のマンスリーレポートに掲載されたものです。)

前編に引き続き、自動車関連企業がSNS(ソーシャルワーキングサービス)を活用し、成果を出すための活用法について、お伝えしていきます。
前編では、SNSを利用する目的を明確にすること、SNSを通じて顧客接点を強化することが大切だとを述べました。
後編では、新規客の誘致や既存客との関係性強化を目的に、その手法についてお伝えいたします。

SNSで広まる口コミの仕組み

SNSマーケティングと言うと最先端の手法のように感じますが、実は原点回帰です。

その手法は大昔の商人と一緒、江戸時代の呉服屋さんと同じイメージです。
昔の呉服屋さんは、顧客の家族構成や趣味・嗜好など、すべて細かく顧客台帳に記録していて、息子さんの七五三や娘さんの成人など、それぞれ顧客に合わせて祝い着や振袖などを提案し、売っていました。

そうやって、顧客のことをよく知り、顧客ごとに最適な提案をして丁寧に商売をしていると、近所の人たちが、「あの呉服屋さんは自分にぴったりの着物を作ってくれる」とか、「あの呉服屋さんは良く分かってくれていて気が利く」とか、良い噂を流してくれて、評判が上がっていきます。
これがリアルな関係性の中で、口コミで情報が伝わっている状態です。

SNSは、友人や知人がインターネット上でつながっています。
つまり「このサービスいいね」とか「このお店良く気が利くね」と思ったときには、すぐに友人や知り合いに口コミで情報を発信し伝えられるということです。

特にFacebookは、実名での登録が前提のため匿名性が低く、リアルの関係性に限りなく近い状態で情報をやり取りしています。
当然ですが、実際に繋がりのある人の信用できる情報は、TVやラジオ、折込チラシなどの広告媒体よりも信憑性が高いことは、言うまでもありません。

Facebookは共感を発信する仕組みが強く、ユーザーが共感した情報に「いいね!」のボタンを押すことで、ユーザーとつながっている人たちに、「いいね!」を押したことが伝わります。
またその情報に、そのつながっている人が「いいね!」を押すことで、情報はさらに拡散します。
このようにして、「あの人がお勧めするお店だったら一度使ってみようかな?」「知り合いがたくさん使っているみたいだから間違いなさそう」という口コミが広がっていくのです。

Facebook活用法

さて、ここからは、私たちクルマ屋がFacebookを利用する際の具体的な活用法を解説します。

①企業ページを作ろう!

Facebookには、個人ページと企業ページがありますが、ファン数が増やせ、有料広告を配信できる企業ページで、会社や店舗のアカウントを作成するのが基本です。
ページでは、お店の情報をできるだけ詳しく記載し、その特徴を魅力的に打ち出しましょう。

②ページのファンを増やそう!

そして、まずはページへの「いいね!」を増やすことに専念します。ページへの「いいね!」は、投稿や広告への「いいね!」とは違い、そのお店のファン数を示します。
ページで伝えたい情報(投稿)は、ページに「いいね!」をした人にが配信されますので、Facebookページを作成して最初にすべきことは、このファン数を増やすことです。

ファン数は、多ければ多いほど良いのですが、あくまでも「数より質」です。
リアルにお店を知っているお客様に「いいね!」を押していただかなくてはなりません。
Facebook広告(ページの「いいね!」を増やす広告)を利用すれば、お金をかけた分だけファン数は増えますが、遠方の人だったり車を持っていない人では意味がありません。
お店を実際に利用し、口コミを広げてくれるリアルなお客様の「いいね!」を集めることが重要です。

お店のお客様からの「いいね!」を集めるには、Facebookページ上でリクエストするだけでなく、お店での取り組みも必要です。
名刺にFacebookページのアドレスを記載し、ひと声かけることをはじめとして、「いいね!」を押してくれたお客様には、オイル交換や工賃割引などのクーポンをプレゼントしたり、「いいね!」を押したら参加できるイベントを開催したりと、ファン数を増やす仕掛けを作ります。ファン数が増えるにつれて、情報が大きく拡散しますので、ファン数は、ある一定数を超えてから爆発的に増加することも珍しくはありません。

③定期的に投稿しよう!

ファン数が増え始めたら、定期的に投稿をします。
前編でもお伝えした内容ですが、投稿は、商品の売り込みではなく、ユーザーの役立つ情報を発信することが大切です。
ユーザーは、お店の商品には興味はありませんが、カーライフを便利に豊かにする情報には興味を持ってくれます。

④広告機能を使ってみよう!

会社やお店のホームページを作っているのであれば、Facebook広告を活用するのも効果があります。
Facebook広告は、PCやスマートフォンのFacebookニュースフィードなどに配信される広告です。
広告の種類はいくつかありますが、「ウェブサイトへのアクセスを増やす広告」で、ホームページの閲覧者を増やし、新規客の集客や既存顧客の来店誘致につなげることができます。
Facebookには、ユーザーのプロフィールが細かく登録されているため、それに基づいた詳細なターゲットを設定できるのが大きな特徴です。
地域や年齢、性別、興味・関心などのほか、既存顧客のリストを利用したカスタム設定もできるので、他の広告媒体よりも、細やかなターゲットの絞り込みが可能になり、情報の配信を効率的に行うことができます。

このコラムでは、Facebookを中心にSNSの活用法について解説しましたが、成果を上げる上で最も大切なのは、地域の顧客に密着し、顧客に最適な情報を提供し続けることです。
SNSは、地域で必要とされるクルマ屋が、口コミで顧客を増やしていくためのツールです。一度接点を持ったお客様に、永く自社のお客様でいていただくために、是非ご活用いただくことをお勧めします。

小阪裕司

小阪裕司 オラクルひと・しくみ研究所代表 博士(情報学)

山口大学(美学専攻)を卒業後、大手小売業、広告代理店を経て、1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。 新規事業企画・実現可能性検証など数々の大手企業プロジェクトを手掛ける。 また、「人の感性と行動」を軸にしたビジネス理論と実践手法を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。 現在、全都道府県と海外から約1500社が参加。 22年を超える活動で、価格競争をしない・立地や業種・規模を問わない1万数千件の成果実例を生み出している。

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